大学卒業後、社会保険労務士を取得し、会計事務所が母体のコンサル会社に入社。国内・国外を問わず企業の経営コンサルを始め、人事・労務に関するサポートに従事。携わった業務は、企業の労務管理体制から社会保険手続き代行までさまざま。退職後に会社を設立し、代表取締役に就任。企業の労務管理体制の支援などを行う。 シグマライズ社会保険労務士事務所
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職場でのパワハラ、辛いですよね...
職場でパワハラをされるのは辛いですよね。実際に受けたことがない人でもパワハラが辛いのは容易に想像できるでしょう。
パワハラを受けたことでトラウマを抱えたり、精神的に参ったりすることは十分に考えられます。直近では2017年11月1日に産経ニュースでパワハラによって実際に鬱が発症した事例が報道されました。また、2018年1月15日に朝日新聞デジタルが報道した内容からは、鬱をも超える結末が分かるでしょう。
▼ニュースの詳細はこちら
パワハラに該当する行為とは
具体的にどんな行為がパワハラに該当するのか見ていきましょう。厚生労働省が定めているパワハラの定義は以下のようになります。
また、パワハラの典型例として6つのパターンがあります。
これらに該当する行為に該当する人は、パワハラ認定される可能性が高いです。
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パワハラに困っている人は年々増加傾向にある
平成28年度に公開された職場におけるハラスメント防止ハンドブックによると、パワハラ被害者は年々増加傾向にあるようです。
これは企業の改善が追い付いていない、または成されていない証拠でしょう。パワハラだと認知しながらもほったらかしにしている企業もあるようです。
▼参考資料
実際にみんなが受けたパワハラTOP3
パワハラ被害者が増加していることが分かりましたが、実際にどんなパワハラを受けているのでしょうか?(参考資料:職場におけるハラスメント防止ハンドブック)
実際にみんなが受けたパワハラTOP3
1位:精神的な攻撃(具体例→侮辱や暴言など)
2位:過大な要求(具体例→遂行不可能な業務を押し付ける)
3位:人間関係からの切り離し(具体例→仲間外れや無視など)
侮辱や暴言などによる"精神的な攻撃"がトップとなりました。一見、パワハラと聞くと暴力系を想像する人が多いと思いますが、実は肉体的な攻撃よりも精神的攻撃の方が多いようです。
▼パワハラの具体例に関してはこちらを参考に
パワハラによる退職は会社都合として認められる場合がある
パワハラのニュースなどをみるに、非常に壮絶です。そんなパワハラを受けて退職を考えるのは納得できますし、決して逃げではありません。
基本的に退職を自分から申し出ると自己都合扱いになりますが、パワハラの場合は会社都合として認められる場合があります。ハローワークは以下のように定義しています(一部抜粋)。
会社都合として認められると、自己都合の場合よりも「失業保険」の給付日数が長くなるというメリットがあります。そのため、パワハラによる退職を会社都合にできるならしたいですよね。
パワハラを受けた証拠を残しておく
パワハラによる退職を会社都合として認めてもらうためには、証拠が必要になります。そのため、暴言の音声を録音したり、暴行を受けている状況を写真に収めてもらったりしておきましょう。そして、パワハラを受けたことを記録する日記のようなものもつけておくとなお良いです。
物的証拠は何よりも力になるので、少しでも多く残しておきましょう。
退職届にパワハラ被害の旨を記載して内容証明郵便で送付する
証拠が集まったら、退職届にパワハラ被害の旨を記載して「内容証明郵便」で送付しましょう。内容証明郵便とは「いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを証明する」ものになります。つまり、パワハラ被害が原因で退職届を送付したということを証明してくれるのです。
仮に会社が受理してくれないことから裁判などに発展した場合、強力な武器にもなるのでおすすめです。
▼内容証明郵便の詳細はこちら
パワハラが解消すれば退職せずに済むという人がすべきこと
中には、パワハラは辛いけど仕事は好き、という人がいるでしょう。仕事は続けたいけどパワハラを止めてほしい、そう思っているのです。しかし、どうすればパワハラをなくすことができるのか分からないですよね。
そこで、パワハラが解消すれば退職しなくてもいいと考えている人がすべきことをご紹介します。
まずは上司に止めるよう訴える
まずは上司に止めるよう直訴しましょう。もしかすると無意識の内にパワハラをしており、自覚することで改善されるケースは十分にあります。
また、パワハラをしていたという事実に気づいて周囲の視線を感じだすことで改善されることもあるでしょう。
それでも解決しない場合は人事や公的機関に相談する
上司に直訴しても改善されない、その場合は会社の人事や公的機関に相談しましょう。より力のある人から指導が入る方が効果は期待できます。
公的機関の相談窓口として、厚生労働省が運営している「総合労働相談コーナー」があります。人事に相談しても「そんなことあるよね」「気にしないようにすればいい」など、投げやりでまともに相手をしてくれないケースがあるので、そんな場合は第三者である総合労働相談コーナーを積極的に活用しましょう。
▼参考資料
退職した後のことは転職エージェントと一緒に考えるのがおすすめ
パワハラで退職した後は転職をしなければなりません。パワハラなどがない健全な職場環境のある企業に転職したいですよね。そんな人は転職エージェントを頼ってみてはいかがでしょうか。
転職エージェントは求職者に企業を紹介してくれます。紹介企業がどんな会社なのか、社風も教えてくれるので、雰囲気が悪い企業への入社を避けられるでしょう。また、書類添削や面接対策などの転職サポートもしてくれるので一石二鳥ですね。
パワハラで働くのが辛くなる前に転職を視野に入れよう
パワハラが原因で退職するのは逃げではなく、むしろ当然ともいえます。嫌がらせに正当性はありませんので、パワハラを受け始めたら証拠を残す、公的機関に相談するなど、すぐに行動を起こしましょう。
最悪の場合、転職を考えるのもありですので、そのときは転職エージェントに相談して快適に働ける職場を紹介してもらうといいかもしれません。
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為はパワハラに該当します。具体的には、身体的侵害(殴る、蹴るなどの暴力)、精神的侵害(暴言、侮辱など)、人間関係からの切り離し(無視、仲間外れにするなど)、過大な要求(明らかに達成不能な成果や難しい行為を要求するなど)、個の侵害(仕事とは関係ないプライベートなことについて過度に詮索する、他人に話すなど)などです。対処法としては、ご自身での解決、または第三者に入ってもらって解決を図る方法まで、選択肢はいくつかあります。相談可能な第三者としては、社内のパワハラなどの相談窓口、外部の相談窓口(総合労働相談コーナーや法テラス)などが考えられます。また、事業主または他の労働者から就業環境が著しく害されるような言動(故意の排斥、嫌がらせ等)を受けたと労働者が判断して退職した場合には、会社都合退職となります。