大学卒業後、社会保険労務士を取得し、会計事務所が母体のコンサル会社に入社。国内・国外を問わず企業の経営コンサルを始め、人事・労務に関するサポートに従事。携わった業務は、企業の労務管理体制から社会保険手続き代行までさまざま。退職後に会社を設立し、代表取締役に就任。企業の労務管理体制の支援などを行う。 シグマライズ社会保険労務士事務所
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福利厚生には2種類ある
転職求人を探している時に、必ず目を通すであろう項目に「福利厚生」があると思います。そんな福利厚生ですが、法律で義務付けられているものとそうでないものの2種類があります。
会社によって提供されている福利厚生の違いに繋がるため、知っておいて損はないでしょう。
法定福利厚生:法律によって義務付けられている
1種類目が「法定福利厚生」です。法定福利厚生は法律で規定されているため、全ての企業に義務付けられています。法定福利厚生に該当するものは、社会保険料の拠出です。
法定福利費といって、法律で企業に使用が義務付けられている費用があり、そこから社会保険料を企業が負担しているのです。
法定福利厚生は法律ですので、もし社会保険料を企業に負担してもらっていない場合は、違法といえるでしょう。
社会保険の内容
- 厚生年金
- 健康保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
法定外福利厚生:企業が任意で用意している
2種類目が「法定外福利厚生」です。法定福利厚生とは反対で、法律で義務付けはされていません。企業毎でどんな福利厚生を提供するかは自由なのです。求人を探しているときに、福利厚生に違いがあるのはこのためです。
法定外福利厚生の内容例
- 住宅手当
- 家族手当
- 育児休暇
- 社内旅行
- レクリエーション活動資金
- 食事補助(社員食堂)...など
▼参考資料
福利厚生がないと金銭的負担が大きくなる
福利厚生がないとどんな弊害が起きるか想像できますでしょうか。一番大きな弊害は、金銭的負担が大きくなることです。それでは、具体的にどれくらい負担が大きくなるのか、分かりやすいように住宅手当と通勤手当を例に用いて紹介しますので、参考にしてみてください。
住宅・通勤手当の支給があるだけで金銭的負担は非常に軽くなる
例①:住宅手当
東京産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情」によると、住宅手当が一律支給の場合の平均額は、扶養家族ありで20,234円、扶養家族なしで17,248円でした。つまり、住宅手当がもらえないと年間約20~25万円損をすることになります。また、住宅が賃貸か持家かで金額がさらに変わってくる点も知っておきましょう。
▼参考資料
例②:通勤手当
少し古いデータになりますが、厚生労働省によると、通勤手当の平均支給額は72,917円となっています。しかし、交通費で毎月7万円も使用する人は非常に少ないと思います。
そこで、実際に使う交通費を1~2万円だと仮定しましょう。計算すると、通勤手当がもらえない人は年間で12~24万円損をすることになります。
▼参考資料
もし、住宅手当と通勤手当の両方が支給されなければ年間で約50万円損をすることになりますので、甘く見ることはできないでしょう。
福利厚生がないことに不満を感じる場合は転職という選択肢も
今勤めている会社に福利厚生がなくて不満を感じている場合は、転職を視野に入れるのもありです。福利厚生のために転職なんて、と思う人もいるでしょう。しかし、年間50万円損していることや、産休・育休がとれずに働きづらさを感じるのであれば、今後の自分の人生を考えると悪い選択肢ではないといえます。
同じ業界・職種の仕事で、福利厚生が充実している企業は他にありますので、そういった会社を選ぶと一から仕事を覚え直す必要もないでしょう。
転職エージェントなら福利厚生が充実している企業を紹介できる
もし、転職を検討する場合は転職エージェントを使えば、あなたの要望に合った福利厚生が充実している企業の紹介を受けることができます。また、求人サイトなどでは一部の福利厚生しか見れませんが、転職エージェントに聞けば更に詳しく情報を集めてくれますので、よりあなたが求める条件に合った企業に出会えるでしょう。
とくにおすすめなのが「リクルートエージェント」で、独自の企業情報をしっかりと握っているので、福利厚生を含む待遇の情報をすべて教えてくれます。求人数も業界トップなので豊富な選択肢の中から厳選することも可能です。
また、「マイナビエージェント」は各企業の人事と直接的な関係を持っているので、正確かつ豊富な情報を常に入手しています。優良企業の求人の数も業界トップクラスなので、安心して紹介を受けられるでしょう。
福利厚生の充実さで働きやすさは変わる!困ったら転職もあり
福利厚生がない会社で働くデメリットを見てきましたが、非常に損をしていることが分かったかと思います。一例ですが、福利厚生がないだけで年間50万円損をするのはもったいありません。
自分のライフプランを考えた上でどうしても必要な福利厚生がある場合は、転職を視野に入れるのもひとつの手です。転職エージェントに相談して、自分が必要としている福利厚生がある企業を紹介してもいましょう。
広義の社会保険には労働保険(労災保険、雇用保険)、狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険)があります。労働保険については、一人でも従業員を雇用していたら原則加入(農林水産業等のうち常時使用労働者数5人未満の個人事業等にを除く)する必要があります。狭義の社会保険については、法人の場合には従業員数や業種に限らず必ず加入しなければなりません。個人事業の場合は、特定の業種である場合や常時使用労働者数5人未満の場合には、適用とならないケースがあります。適用が義務付けられている会社が広義の社会保険に加入していない場合、法律に違反していることになります。