東京理科大学大学院修了後、東証一部上場の某電機メーカーに入社。通信技術の研究職と技術者の採用業務に従事。その後、人材ベンチャー企業に入社。採用活動コンサルタントとして企業への採用業務代行と採用活動の支援業務を行っている。これまで100社以上の採用活動を支援してきている。就職活動コンサルタントとしては、新卒と中途を合わせて22,000名以上の求職者の内定獲得を支援してきている。
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転職するなら今!第二新卒の需要は非常に高い
20代を中心に増加している「第二新卒」。初めにお伝えしますが、第二新卒の需要は非常に高いです。企業の採用意欲は、これまでにないくらい高いものとなっています。もし、転職を考えているのであれば、今が絶好のタイミングですよ!
第二新卒の需要が高い理由は、この後詳しく解説していきます。
第二新卒の一般的な意味とは
まず、第二新卒が指す一般的な意味を知っておきましょう。
第二新卒とは
最終学歴である高校や大学などを卒業し、新卒として入社したが、3年以内で早期離職した人たち
実は、第二新卒という言葉は転職市場で生まれた言葉になるため、明確な定義はありません。そのため、4年目で会社を辞めた人でも20代であれば、第二新卒として扱ってくれる企業もあります。
平成27年度の第二新卒は約14万人
厚生労働省の調査によると、平成27年3月に卒業して新卒入社した約44万人のうち、第二新卒者は約14万人もいるようです。そして、第二新卒の人数は上のグラフからも分かる通り、年々増えています。ネガティブな見方をすると、若手社会人の早期離職が加速しているのです。
▼参考資料
第二新卒の退職理由トップは「労働時間や休暇などの条件が悪かった」
第二新卒が年々増加していることが分かりましたが、どういった理由で退職をしているのでしょうか。独立行政法人労働政策研究・研修機構が公開している「若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」から、第二新卒の離職理由トップ3をご紹介します。
第二新卒の離職理由トップ3
1位:労働時間、休日・休暇の条件が良くなかったため(男性34%、女性33.2%)
2位:肉体的・精神的に健康を損ねたため(男性29.9%、女性34.3%)
3位:人間関係がよくなかったため(男性27.5%、女性29.7%)
いずれにも共通するのは、実際に働いてみないと分からないということです。面接では残業はほとんどないと聞いていたけど、実際に働くと毎日3時間以上の残業があるなど、不満につながるギャップを感じてしまうのでしょう。
▼参考資料
既卒とは意味や応募条件に明確な違いがある
第二新卒は、既卒とよく間違われることが多いため、しっかり区別しておきましょう。区別ができないと、求人を選ぶときに失敗してしまいますよ。
既卒とは
最終学歴となる学校を卒業後、一度も就職をしていない人たち
また、厚生労働省が「既卒が卒業してから3年間は新卒扱い」と定めているのも、第二新卒とは大きく異なる点です。
▼参考資料
第二新卒の需要はどれくらい高い?
冒頭でもお伝えしましたが、第二新卒の需要は非常に高いです。しかし、高いといわれてもどれくらいなのか分からないですよね。
マイナビ転職の「中途採用状況調査」により、第二新卒の採用に積極的に関わっていきたいと答えた企業が6割以上いることが分かりました。経験や実績のある転職者ではなく、第二新卒を欲しているのです。第二新卒はスキルや経験がないから転職は不利だと思っている人は多いですが、実際はそれでも採用したいという企業が半数以上いるのです。
▼参考資料
なぜ第二新卒の需要は高まってきているのか
第二新卒の需要は高まってきていますが、それはなぜなのでしょうか。即戦力が欲しいのであれば、第二新卒ではなく、経験豊富な30代などを採用したほうが得です。
市場の動向から、第二新卒の需要が高くなっている理由を解説します。
新卒の就活市場が「売り手市場」になっている影響が大きい
第二新卒の需要が高まっている理由は、新卒の就活市場の変化です。これまでは、就職氷河期といわれるくらい、企業に有利な買い手市場で、学生は就職難に陥っていました。それが、最近では経済の回復などで一変し、学生に有利な「売手市場」に変わりました。2014年の求人倍率が1.24倍(学生1人に約1件の求人がある)だったのに対し、2019年3月卒の求人倍率は1.88倍(学生1人に約2件の求人がある)にもなっています。求人の数に対して学生の数が圧倒的に足りていないため、企業側は思ったように若手人材を採用できていません。
加えて、なんとか採用できた新卒でも、早期離職する人が多いため、その穴埋めとして同じ若手人材である第二新卒が求められているのです。
▼参考資料
新卒すぐ会社を辞めた経歴な不利にならないのか
企業が第二新卒を採用したい3つの理由
企業が第二新卒を採用したい理由とは何なのでしょうか。若手人材が欲しいのであれば、次の新卒を採用まで待てばいいですし、既卒やフリーターを採用するという手もあるはずです。
ポイントは、若手人材であれば誰でもいいわけではなく、第二新卒が欲しいという点です。
1.柔軟性があり企業に馴染みやすい
第二新卒は、前の会社をすぐ辞めたということがメリットにもなっています。早期離職しているため、その企業のやり方が染みついておらず、他の会社に行っても柔軟に対応できます。ひとつの会社に長く居すぎると、「このやり方が当たり前」「前の会社では○○だった」という考えが頭に浮かんで、場合によっては新しい会社にまったく馴染めません。
第二新卒にはその心配がなく、採用してもすぐに馴染んで働いてくれると評価されています。
2.社会人経験があるため教育コストが少ない
第二新卒は前職を早期離職していますが、少なからずも研修を受けて社会人経験を積んでいます。これが、実は大きなアドバンテージ。新卒並みの若さとポテンシャルを持っていながらも、社会人としての基本的なスキルやマナー(電話の仕方やビジネスメールなど)をいちから教える手間がないため、教育コストが非常に少ないです。OJTを通して実務を教えれば自走してくれるため、中長期的にみた即戦力になります。
3.内定を出せば比較的すぐに入社してくれる
基本的に、第二新卒を募集している企業は、採用を急いでいる傾向があります。若い人材が欲しいからといって、次の新卒を採用しても入社までに時間がかかります。しかし、第二新卒であればどんなに長くても3ヵ月以内には入社してくれるため、社会人経験がある若手人材の補強にはもってこいなのです。
今の時代、新卒に置いても即戦力が求められているのですから、結構多くの企業で即戦力の第二新卒を求めています。これは企業の景気が良いためです。景気の良いうちによりたくさんの売り上げを上げたい。そのためには売り上げを上げる即戦力の要員を増やさなければいけない。これは中途だけでは絶対に足りない。よって、新卒や第二新卒にも、より多くの即戦力を求めている企業が多いのです。これはある意味、社会人として成長できるようになるための大きなチャンスだと考えています。
第二新卒ならではの「早期退職」という経歴には要注意
第二新卒の需要は高いですが、転職活動を進めるときには注意しなければならないことがあります。それは「前職を早期離職した」という事実です。企業側は採用に意欲的でありつつも、「またすぐに辞めるのではないか」という不安を少なからず抱えています。需要が高いから心配ないだろうと、楽観視はキケンですよ。
前職での失敗や経験を次に繋げられるアピールが大事
新卒として入社して、少なからず仕事をしていたわけですので、何かしらの失敗談や得た経験があるはずです。これらを次に活かし、ステップアップしていくというアピールをすると印象がいいです。
このアピールができなければ前職で何をしていたのかと疑われますし、仕事を教えても学ぶ意欲のない人だと思われてしまうでしょう。そのリスクを避けるめにも、前職での失敗談(改善策も含む)や経験を次に繋げられるアピールをしてください。
第二新卒の需要が高い!求められている今が転職のチャンス
第二新卒は、転職市場において需要が高い、貴重な若手人材です。社会人経験を持っていつつも、柔軟性が高く、企業にいち早く馴染んでくれることが大きな理由です。しかし、前職を早期離職したというレッテルは張られたままですので、そこをプラスに持っていくためのアピールが重要になります。もし、「アピールの仕方が分からない」「やりたい仕事が分からなくなった」という人は転職エージェントに相談してみるといいでしょう。転職の悩みの相談にのってくれるだけでなく、求人紹介や面接対策まで、転職活動を徹底サポートしてくれますよ。
前職での反省を活かすことが最大のポイントです。何がまずかったのか、どうすれば良かったのか、何が本当の希望だったのか。これらを紙に書いて、ひとつひとつ見直し、改善をすることによって、第二新卒の就職活動は成功に近づけることができます。さらには、転職エージェントのようなアドバイスをしていただける方を、あなたの横に置き、すぐに相談できる状態にしておきます。そうしますと、あなたの理想とする企業から内定を獲得しやすくなります。
新卒で入った会社をすぐに辞めてしまった、というマイナス要素はあります。しかし、第二新卒を募集している企業は、その箇所は承知の上で採用活動をしています。ここでまずいのは、「すぐに辞めてしまった」という負い目をあなたが面接とかで見せてしまうことです。これは仕方のないことです。最初の会社を辞めてしまった理由にも因りますが、特に「これは企業が悪いね」と思わせる理由でしたら、特に気にする必要はありません。胸を張って就職活動をしましょう。