給料未払いが原因で会社を辞める前に知っておくべきこと

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この記事のアドバイザー
社労士
斎藤清二

大学卒業後、社会保険労務士を取得し、会計事務所が母体のコンサル会社に入社。国内・国外を問わず企業の経営コンサルを始め、人事・労務に関するサポートに従事。携わった業務は、企業の労務管理体制から社会保険手続き代行までさまざま。退職後に会社を設立し、代表取締役に就任。企業の労務管理体制の支援などを行う。 シグマライズ社会保険労務士事務所

目次

  1. 「会社を辞めると未払い分の給料がもらえない」という不安
  2. 基本的に退職しても未払い分の給料は支給されない
  3. 退職後に未払い分の給料が欲しい場合は自分で請求する必要がある
  4. 会社を辞める前に特定受給資格者に該当するか確認しておく
  5. 退職後、経営が安定した企業を探したい人は転職エージェントを頼るといい
  6. 給料未払い分は国の立替制度で8割受給できたり会社に請求したりできる

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「給料の未払いが続いて、生活がきつい....」

お金がないと家賃や光熱費、食費などが圧迫されるので精神的にも辛いですよね。そのため、給料未払いが原因で会社を辞める決意をし、転職に踏み切ることは問題ないといえます。
しかし、ここでもうひとつ不安が込み上げてくるのではないでしょうか。

女性

給料が未払いの状態のままで会社を辞めた場合、未払い分の給料がもらえないのではと不安に感じてしまいますよね。もらえない場合、1ヵ月または3ヵ月などの期間をただ働きしたことになってしまいます。働いた分の給料はしっかりもらいたいものです。事前に定められた給与支払い日に給与が支払われなければ、金額の多寡に関わりなく違法となります。

実際に同じ悩みを抱えている人は大勢いるようです。

お金

未払い分の給料がある状態で会社を辞めるとどうなるのでしょうか?
基本的に会社側は、未払い分の給料を会社を辞める人に支給しません。会社にお金がないから給料を支払えないわけなので、会社を辞める人に対して未払い分を払うことはほとんどのケースでないでしょう。

未払賃金の立替払制度で国が未払い分の80%を支給してくれることはある

未払い分の給料がある状態で会社を辞める場合、国が定める条件(会社が倒産してしまった等)に当てはまれば「未払賃金の立替払制度」が適用されます。この制度を利用すると、未払い分の給料の80%を国が支給してくれます。
未払賃金の立替払制度が適用される条件は複雑かつ立替金額には限度があるので、詳細を事前にしっかり確認しておきましょう。

▼参考資料

書類

退職後であっても会社側は未払い分の給料を支払わないと先述しましたが、本来は支払う義務があります。そのため、退職後に未払い分の給料が欲しい場合は自分で請求する必要があります。未払い給料の請求には時効が設けられており、その期間は2年です。
未払い分の給料を請求するにはやるべきことがあるので、簡単に見ていきましょう。

給料未払いを証明する証拠を集める

まずは、給料未払いを証明する証拠を集めましょう。最も有効なのがタイムカードです。出社時刻と退社時刻の両方が印字されているので、その時間会社にいて労働していたことを証明してくれます。
タイムカードではなくICカードなどの人は、出退勤を管理しているデータがあると思いますので、その画面キャプチャを残しておくと良いでしょう。

自分の給料の単価を証明する書類を用意する

次に、自分の給料の単価を証明する書類を用意しましょう。未払い分の給料があるとはいえ、いくらなのかが計算できなければ意味がありません。
自分の給料の単価を証明する書類としては、直近の給与明細や入社時の雇用契約書が有効です。入社時から昇給している可能性があるので、給与明細があるといいです。

会社に請求書の送付、または裁判などで戦う

証拠が揃ったら会社に請求書を送付しましょう。会社側には労働に対する給料を支払う義務があるので、請求されたら支払わなければなりません。どんな内容の書類を誰から誰へ送ったのかを証明するために、内容証明郵便を使うのがおすすめです。
請求書を送付しても会社側が対応してこない場合は、最終手段として裁判です。専門の弁護士に事情を相談して解決方法を一緒に考えてもらいましょう。さらに、内容証明郵便を使っていれば"未払い分の給料を請求したが対応してもらえなかった"ことを証明できます。

書類

会社を辞める前にひとつ確認しておくといいことがあります。それは、自分が「特定受給資格者」に該当するかどうかです。特定受給資格者になると、失業手当が通常より長い期間もらえます。
基本的に、会社都合(倒産やリストラ)で会社を辞める場合は、特定受給資格者に該当するでしょう。しかし、自己都合で会社を辞めることになっても会社都合に値する正当な理由があれば認められる場合があるので、ハローワークに相談しましょう。

▼参考資料

給料未払いによって会社を辞める、今後そういった経験はしたくないですよね。そこで、経営が安定している転職先を探す場合は転職エージェントに相談するのがおすすめです。
転職エージェントは紹介求人をスクリーニングしているので、経営状態が悪い企業を勧めてくることはありません。また、転職エージェントの紹介で求職者が入社した場合、企業はその入社者の年収の30%程度を転職エージェントに支払わなければなりませんので、そもそも経営状態が悪い企業は転職エージェントを利用しません。

リクルートエージェント

リクルートエージェント

「リクルートエージェント」は転職支援実績で1位ですが、これは質の高い求人とサポートを兼ね備えているからです。求職者のニーズと企業が求める人材像がマッチする求人のみを紹介しているので、ミスマッチも少ないです。
また、最大手の転職エージェントなので、集まる企業も一流で優良企業がほとんどです。給料の未払いを再び心配する必要もないでしょう。

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デューダ

「doda」の最大の魅力は、なんといってもプレミアムな情報がほとんどの非公開求人です。企業の重要ポジションや高年収、応募が殺到するような求人ばかりなので、満足度の高い転職が実現できるでしょう。
また、企業の内部情報を提供してくれる担当者がつくので、人事目線の情報を簡単に入手できます。

話し合い

給料未払いの状態で会社を辞めても、その分の賃金が支払われることは基本的にありません。そのため、自分が働いた分の給料が欲しい人は未払賃金の立替払制度を利用するか自分で会社に請求をしましょう。全額返ってくるかはその時の状況次第ですが、1円すら返ってこないよりかましでしょう。
給料未払いを理由に会社を辞める際、本記事で紹介した知識は必ず役立つと思いますので、しっかり把握しておいてください。

社労士斎藤清二
未払い分の給料は会社に請求することができます
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事前に定められた給与支払い日に給与が支払われなければ、金額の多寡に関わりなく違法となります。未払給与が発生していることが明確であれば、まずは従業員から会社側に未払給与の支払いを求めることになります。それに対して支払いに応じない場合には、会社を管轄する労働基準監督署に相談し、労働基準監督署から指導してもらうといいでしょう。それでもなお、支払いが無い場合には、弁護士等に相談し、未払給与の支払いを法的に請求するといいと思います。また、会社が倒産したことにより賃金が支払われなかった場合には、未払賃金立替払制度によって、会社の倒産前6ヵ月間に未払いだった賃金の8割が支払われます。具体的な要件としては、使用者が1年以上事業活動を行っており、法律上または事実上倒産した場合に申請することが可能です。

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